闇夜を駆ける二匹の猫 [小説:Dolly Shadow]
さぁ、これでゲームセットだ。
言い残すことはあるかい? 懺悔する気があるなら、聞いてやるぜ。
……この似非神父め?
あはは、そうだな。そう見えるかもしれねーな。
確かに、オレにはもう神父の資格はねぇ。何しろ、教会を破門されちまったからな。
でも、だからオレが似非だと?
オレに、神様の声が聞こえないとでも?
ああ、聞こえるさ。アンタの声なんかより、ずっとよく聞こえてるぜ。
教えてやろうか? 神様は、酷くお怒りだ。
何しろ、オレの神様は我らリヴリーを愛して下さっていてね。その命を奪うアンタら魔物共を、決してお許しにはならないんだと。
オレは、そうやって神様の声を聞いてきた。
教会にいる時からずっと…… 知ってるか? ただ祈ってるだけが、教会の務めじゃないんだぜ?
ああ、そういう清らかな神父様もいるだろう。
だが、オレはそうじゃない。
正直言って、オレは別にアンタに恨みはねーよ?
でも、オレも生きてくには金が必要でね。全く、野良猫ってのは辛いもんだぜ。
アンタをGLL警察に突き出せば、オレの神様はきっと喜んで下さる。
ついでに、オレも僅かの金がもらえるってわけさ。
あはは、確かに似非神父かもな。全国の神父様に懺悔して来なきゃだ。あははは。
さてと、そろそろタイムオーバーだ。
せっかくの懺悔の時間、無駄にしやがって。それだけでも罰が当たるぜ?
さぁ、いと罪深き虫ケラよ。
数多の命を奪った己の罪、虫籠の中でせいぜい悔いるが良い。
じゃあな。運があればまた会おうぜ。
神様がアンタをお救い下さいますように……